リディア・コー、本当はベテラン?17歳のグリーン攻略法に学ぶ
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2015/3/17号
2015/3/9更新

リディア・コー、本当はベテラン?
17歳のグリーン攻略法に学ぶ

 リディア・コーの勢いが止まらない。世界ランク1位になったばかりでISPSハンダ・オーストラリアン女子オープンに優勝。若返ったツアーの象徴として躍進を続けている。コーチのレッドベターとの合い言葉は「スマートゴルフ=賢いゴルフ」。賢さの象徴である彼女のグリーン攻略法を探ってみると……。

 オーストラリアンOPでは最終日最終ホール、コーはティショットを隣のホールに打っている。そのココロは正攻法で花道からグリーンを狙うより、左サイドに位置する隣のホールから受けている2段グリーンを狙ったほうが球を止めやすいから。その作戦は的中し、ピンを刺すようなセカンドショットを2メートルに寄せて栄冠を勝ち取った。

 要所で見せるマネジメント巧者ぶり。下りの1メートルより上りの3メートル、奥より手前からといったセオリーを淡々と着実にこなすのが脅威の17歳の真骨頂だ。

「やっぱりパットはゴルフの流れを決めます。だからさまざまなルールを実践して"入れるための"パットを打っているのです」と本人。

カップまでの距離でグリップを変える

 さまざまなルールの1つ目はグリップ。ロングパットは普通のノーマルグリップで握るが、ショートパットは「手首をコネないために」クロスハンド。「左手を下にすることでヘッドを目標に向かって低く出すことができます」

 2つ目はテークバックを大きく引きすぎないこと。アマチュアの頃から「テークバックを大きく引いてインパクトでゆるむことがあった」という反省から、テークバックを小さくしインパクトで「ヘッドを加速させながら打つイメージ」を持っているという。

 そのため練習ではボールの後ろにティペッグを立て、テークバックをそれ以上引けないようにして打つドリルを実践している。

 3つ目はエイムポイントグリーンリーディング。アダム・スコットらが取り入れているグリーンの傾斜を指差しで読み、狙いを決める流行のエイムポイントをコーはいち早く取り入れ「迷いなく打てるようになった」。

ミスパットしたら怒ってもいい

 エイムポイントの生みの親であるマーク・スウィニー氏はコーについてこういう。「ここを狙ってというと、彼女はまるでレーザービームのような正確さでそこに打つことができる。エイムポイントによって狙いを整理することで邪念を排除し自信を持ってパッティングできているのです」。

 それでもたまにはコー本人が「大嫌い」という3パットをすることもある。そんなときコーはレッドベターとの約束「スマートゴルフ」を度外視し「怒りのマネジメント」を実践することもあるという。

「感情がないんじゃないか、と思われますが、結構私怒ってるんです。怒りを次のショットに爆発させるタイプ。たとえば3パットした次のホールでは本来3ウッドでティショットを打つところをドライバーでマン振りしたりする。開幕戦では2連続3パットのあと、パターに八つ当たりして怒りを爆発させた直後5連続バーディを獲っています。怒りは私にとって必要なスパイスなのかも(笑)」

 コーから目が離せない。

 
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