71歳になったブッチ・ハーモンの“帝国”が拡大を続けている。その一方で元教え子のタイガーは世界ランク70位まで後退し青色吐息。再ブレイクのハーモンはタイガー再生に一肌脱ぐ……?
2人が袂を分かったのはデビュー6年目の02年。その間メジャー14勝中8勝を二人三脚で挙げてきた。タイガーを全盛期に導いたそのブッチが、70歳を過ぎ益々盛んなのである。
現在教え子はミケルソンにはじまってリッキー・ファウラー、ダスティン・ジョンソンといった当代きっての人気者のほか、目下アメリカ最強とうたわれるジミー・ウォーカーや、AT&Tで復活優勝を遂げたブラント・スネデカーまで。
スネデカーの元コーチは昨年のフェデックスカップ王者ビリー・ホーシェルやニック・ワトニーを指導するトッド・アンダーソン氏。
「昨年の6月までトッドに教わっていたときは、世界で2番か3番目のコーチに習っているという感触があった。でもブッチに習った瞬間、あぁ、彼は世界トップの指導者なんだと実感した。彼に師事してから自分もメジャーで勝てるという気持ちになれた」(スネデカー)
スネデカーをスランプから立ち直らせたブッチは、目立たない中堅どころだったウォーカーも"勝てる男"に押し上げた。一昨年、34歳にしてツアー初優勝を飾ると今年のソニーオープンまでに4勝を量産。理にかなったオーソドックスなスウィングは「ツアー屈指」の呼び声が高い。
対するタイガーは苦しみ抜いている。スウィング改造に次ぐスウィング改造が裏目に出て遂にアプローチイップスまで発症。「ゴルフファンの立場としていまの彼のアプローチを見ているのは辛い。まったく自信を失っている」とブッチ。 「本人にその気があればよろこんで自分の意見を伝えたい」という。「しかしそれはないだろうね。彼の沽券にかかわるからね」
プライドが高いタイガーを知り抜いたブッチならではの発言。だがスネデカーやウォーカーをよみがえらせた手腕には改めて脱帽せざるを得ない。タイガーが藁にもすがる思いだとしたらプライドをかなぐり捨て、20代の頃のように電話を取り「ハイ、ブッチ。なぜうまくいかないんだろう?」と素直に悩みを打ち明けるべきなのかもしれない。
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