3月下旬、主要クラブメーカーの今季ニュードライバーがほぼ出そろった。興味あるのは、飛びもさることながら「全然曲がらない」といった声が多いことだ。どこがどう変わったのか。
ナイキ ヴェイパー
ブリヂストンJ815
なかには「曲げようと思っても曲がらない。ドッグレッグのホールなんか困ることもあるくらい」という一般ユーザーの声が聞かれるのは、ナイキのヴェイパー。ブリヂストンのJ815なども似たような反応だ。
クラブフィッターの鹿又芳典さんによると、「今年は間違いなくドライバーの当たり年」だという。
「ヴェイパーは3機種ありますが、アベレージクラスには『スピード』がおすすめ。キャビティ構造とソールの溝の効果か、芯を外してもスピン量が変わらないのがすごい。これが曲がらない一番の理由でしょうね」
ナイキのドライバーといえば、SQ時代の強烈な打球音のイメージが今も残っていて、食わず嫌いのゴルファーもいるそうだが、「そんなイメージを完全に吹き消してしまうドライバーがやっとできたという感じです」という。
飛びに関しては今や、どのモデルも限界に達している。次に求めたのはどこのメーカーも、オフセンターヒットでも芯と同じように飛んで、しかも曲がらないことで、その点では確実にパフォーマンスが上がっているというのだ。
「低スピン化が追求され、その分曲がりも少なくなったということもありますが、それに加え、各社独自の構造で曲がりが抑えられるようになった。たとえばタイトリストの915Dシリーズは芯を外してもフェースが動きにくいので安定している。J815なども、適度な重心深度を確保してつかまりのよさを追求している上にスピンが多すぎないから方向性がいい」(鹿又)
他に、ピンの3機種のなかではG30LS、キャロウェイのXR、ミズノのJPX850、ホンマのTW727 455Sなど、どれも負けず劣らず直進性がよく、曲がらない分、飛距離の安定性が増す可能性は大きいという。
かつて、バナナのようにスライスする球を"バナナボール"と呼んだけれど、それをもはや死語にしてしまうほどドライバーは確実に進化したということか。
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