宇宙からはじめてゴルフ場の撮影に成功した人物が"日本人"だというのをご存知だろうか。
宇宙からゴルフ場を撮影するにはまず宇宙飛行士にならなくてはならない。しかも相当なゴルフ好きでなければゴルフ場を撮ってみようとは思わないだろう。その両方の条件を満たしたのが日系アメリカ人3世ダニエル・タニ氏だ。同氏はアメリカ航空宇宙局NASAの宇宙飛行士として1回目は2001年に、2回目は2007年から2008年にかけ国際宇宙ステーションで飛行技術者として計132日の宇宙滞在と6回の宇宙遊泳を経験した。
ゴルフには学生時代から勤しみ、スコットランドやアイルランドのリンクスに触れてさらにゴルフ熱が高まったというタニ氏。シングル手前の腕前を持つ彼はある日、宇宙でのミッションの合間に趣味の一貫としてゴルフ場撮影をしてはどうかと思い立った。
とはいえ宇宙からピンポイントにゴルフ場の場所を特定しカメラに収めるのは決してやさし作業ではない。なにしろ無重力で体が固定しにくい上、宇宙ステーションは時速2万7千キロの超高速で地球の周りを旋回しているのだから。
「ゴルフ場を探してシャッターを押すまで10秒しか時間がない」そう。ペブルビーチやサイプレスポイント、セントアンドリュースなど、名コースがゴルフサイトにこのほどアップされた。ちなみに使用機材はニコンD2x。それに400ミリのレンズを装着して撮影したのだという。
宇宙飛行士は限られた量の私物しか宇宙に持っていけないが、タニ氏が1回目のミッションで持っていったのはアイルランドにあるバリーバニオンのロゴが入ったゴルフボールと、セントアンドリュースのフラッグ。2回目はバリーバニオンのフラッグを持ち込み宇宙ステーションの壁に貼り付け、日々眺めていたというというから相当のフリークである。
「宇宙から戻ってはじめてコースに出た日のことは忘れられません。自分が宇宙から見てきたコースが目の前に広がっていたんですから!」
第二次世界大戦時、日本人の両親が強制収容所に移住させられるなど苦労をしたが、息子は宇宙からゴルフ場写真を撮った人類初の人となった。
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