マット・エブリーがアーノルド・パーマー招待で連覇を達成した。かつて"タイガーの庭"と呼ばれたベイヒルGCを我がもの顔で闊歩するエブリーはなぜ、この大会にこれほど強いのか?
タイガーが過去4連覇を含む8勝を挙げているアーノルド・パーマー招待を「まだ準備が整っていない。残念だけれど欠場する」とツイッターでつぶやいたとき、エブリーはタイガーに連絡をとり、こう伝えたという。
「安心してくれ。キミが戻ってくるまでこの場(大会)は僕が守っておくから」と。
大した自信だが、その宣言通りエブリーは3打のビハインドを跳ね返し世界ランカーのヘンリック・ステンソンを逆転。御大パーマーが見守る最終18番で5メートル半のバーディパットをねじ込み勝負強さを見せつけた。
「テレビでゴルフの試合を観ると、一番盛り上がるのが最終ホールで5、6メートルのパットを決めて優勝を決めるシーン。そういうパットを決めてギャラリーを熱狂させたいといつも思っていたんだ」とご満悦のエブリー。
思えば昨年も先頭を行くアダム・スコットが最終日に自滅したことで4打差をひっくり返し、出場93試合目にして念願のツアー初優勝を飾ったもの。なぜかベイヒルの女神はエブリーにやさしいのだ。
今季はアーノルド・パーマー招待で勝つまで予選落ちが2回、失格が1回、予選を通っても下位に低迷し、最高位は昨年の優勝者のみが集うヒュンダイトーナメントオブチャンピオンズの27位タイと、優勝争いをするような雰囲気は皆無だった。ところがベイヒルGCに来ると見違えるようなプレーを連発。
「確かに去年勝ってから調子は下降気味だった。30代になったこともあって取り組みを一新し、肉体改造やスウィング改造に着手してきた。今週になってそれが機能して本当にショットが良くなったんだ」(エブリー)
奇しくもタイガーの元コーチ、ショーン・フォーリーと取り組んだスウィング改造の成果が連覇という形で実を結んだエブリー。さて来年は?
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