"ソフト"を売りにしたボールが相次いで登場。キャスコから発売された「ウイルソンDX2ソフト」はコンプレッションがなんと29というから驚きだ。そんなに軟らかくてホントに飛ぶのだろうか……。
世界一軟らかい「ウイルソンDX2ソフト」
コンプレッションは最近では使われなくなってしまったがボールの硬度をあらわす基準で、プロボールの標準が90程度だから、29というのがいかに軟らかいか想像がつく。同社では「世界で一番やわらかいボール」(同社調べ)とうたっている。キャロウェイの「クロムソフト」もコンプレッションは65程度というから、これまでのボールに比べたらかなり軟らかめだ。また来月上旬に発売されるブリヂストンの「エクストラソフト」もその名の通り“ソフト”を売りにしているし、ダンロップの「ゼクシオエアロドライブ」も軟らかさを特徴のひとつとしてあげている。各社こぞって「ソフト化」に焦点を当てているのはどうしてなのか。
「スピン量の適正化でしょうね」と言うのは、ニューボールはほとんどテストしているという金谷多一郎プロだ。
「アベレージクラスにとっては、プロのボールのような硬いボールではインパクトで十分につぶしきれないためにスピン量が多すぎてしまう。軟らかければ一定量つぶれるのでスピン量を減らせるということでしょうね」
スピン量が抑えられれば、飛ぶ可能性が増すし、曲がりも抑えられる。要するに、飛んで曲がらないわけだ。ブリヂストンでも、「ヘッドスピード40 m/s前後のゴルファーの場合、スピン量は3000回転近くの人が多く、それではどうしても吹き上がりやすい。つぶれやすくすることで適正なスピン量に抑えられるため、飛ぶ弾道になりやすい」(同社・広報)と言っている。
軟らかいということは主にコアが軟らかいので、アプローチやパッティングのフィーリングもソフトという。それにしても、どうして今、各社が一斉にソフト化に注目したのだろうか。
「これまでは、軟らかいボールは飛ばないと言われていた。確かにそういう面もあったけれど、コアの材料や構造が進化したことで、それはもう完全に解決されている。同じ硬度のボールでも、打ち手のヘッドスピードによって硬さは変わってくるわけで、自分にとって気持ちよくつぶせるボールを使うことが重要」(金谷プロ)
その意味ではソフト化は歓迎すべきという。
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