フェアウェイの芝も、ほぼ全国的に緑一色になったこの時期、“芝”についてちょっとお勉強を──。
日本特有の芝は野芝と高麗。グリーンは高麗でも葉幅の狭い姫高麗が使われている。葉幅が狭ければ、転がるボールの抵抗も少なく速く仕上げられる。亜熱帯やそれに近い土地(沖縄、九州)では高麗のほか、熱帯のバミューダから品種改良されたティフトンが多く使われている。最近では、海岸沿いで潮水が少々かかっても平気な芝も生まれている。
寒冷地の芝の代表はベント。品種改良は目覚ましく、産学協同で研究が重ねられている。ペンシルベニア州立大でつくられたペンクロスが第1世代といわれ、日本の7割のコースで採用された。1990年からは第2世代が出現し、L?93、クレンショウが台頭。21世紀になって第3世代に入るが、日本の高温化していく気候では難しい部分があり、画期的改革とはならなかった。
現在は第4世代。007(ダブルオーセブン)がよく知られていて、現在改造中の横浜CC西Cなどで採用。ほかにタイイー、マッケンジーなどが高温多湿の日本に適応すると期待されている。
「品種改良はされているが、大事なのはメンテナンス。例えば第4世代は芽数が多く、それ自体は長所だが、目土などをマメにやらないとすぐマット状になってしまう。自動散水など、そのホールに応じて水量、時間などプログラミングしなければなりませんが、それができるグリーンキーパーは日本に5人といないのでは」(米国ミュアフィールドで、ニクラスのもとで学んだグリーンキーパー、箕田峰洋氏)
いくら品種改良されても、それを生かすメンテナンス技術が伴わなければならないのが芝の難しさだ。
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