日本では初めてのケース──同じコースを共有する2つのクラブが誕生しそうだ。
ひとつのコースに複数のクラブということでいえば、わかりやすいのはスコットランドのセントアンドリュース・オールドコースの例だろう。コースには14のクラブがあって、それぞれのクラブがスタート権を持つシステムになっている。
これにヒントを得た"クラブインクラブ"の措置が日本でも成立しそうなのだ。
発端は岡山県にあるクリスタルリンクスGCが民事再生を経て破産したこと。今年の12月31日をもってゴルフ場の営業を終了すると表明している。そこで同クラブの有志が「何とかクラブを存続できないか」と、東条の森CC(兵庫県)に相談したところ「同じメンバーとして迎え入れることはできないが、クラブの中にクラブがあり、コースでのプレーはメンバー扱いでどうだろうか」という返事があったという。
「クリスタルさんの会員が何人かウチの会員でもあるし、4つのクラブハウス、63ホールのスケールメリットもあります。クリスタルさんの名前でウチに会員組織をつくってもらっても何の痛痒も感じません。会員総会などにクラブハウスを自由に使っていただいて構いません」(東条の森CC社長室)
新世代がなかなか入会してこないご時世、いかにスリーピングメンバーを掘り起こすかという命題があるゴルフ場側。PGAアカデミーなど、ゴルフ振興策を打ちだす同ゴルフ場にとってもメンバーが増えることは歓迎なのであろう。
「グループに紫香楽国際CC(滋賀県・18ホール)もあって提携もできますしね。クリスタルさんで独自にクラブ競技はやってもらい、全体で"東条の森選手権"の開催も考えています」(同社長室)
生き残りをかけて、各コース、知恵をしぼらなければいけない時代に入ってきたようである。
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