拠点はいまも地元・仙台。孝行息子ヒロシの静かなるV
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2015/7/28号
2015/7/21更新

拠点はいまも地元・仙台。
孝行息子ヒロシの静かなるV

 昨年のフジサンケイクラシックでツアー初優勝して以来「世界を目指す」と公言してきた岩田寛が、セガサミーカップでツアー2勝目を挙げ、ワールドランクは前週の105位から81位に。"公言"実現に一歩近づいた。

トロフィの掲げ方も控えめな岩田。長嶋さんに遠慮したのかな!?

 岩田寛のゴルフの師匠は、仙台市内で練習場を経営する父の光男氏だ。ジュニア時代から星野英正を指導し、日本アマ3勝へ導いた名伯楽として知られる人物でもある。

 岩田は一時、江連忠をコーチとしていたが、7年ほど前に光男氏が寒い日でも快適に練習できる個室の特別打席を作ったのを機会に再び拠点を仙台に戻していた。

 いまは、その個室は道路計画などの関係でなくなってしまったものの「冬でも普通の打席で練習しています」と光男氏が言うように拠点は変えていないし、毎週試合が終わると、次の会場へ直行せずに必ず拠点に戻るという生活を続けている。つまり毎週、親子は顔を合わせることになる。

 しかし、親子、あるいは師弟として、踏み込んだ会話は普段あまりせず、1年に1度だけ母親も含めて、3人でじっくり話す時間を作るようにしているという。

「普段いろいろとしゃべると時間がかかるので、オフの練習の様子を見計らって、本人の悩みとか、親の言いたいことなど、2時間ほど、反省会のような話し合いの機会を作っています」と光男氏。母親の有美子さんが同席するのは、岩田が少年野球をやっているときに送り迎えなどマネジャー的な役割を担っていたからだ。息子の優勝を一番喜んだのも有美子さんだったそうだ。

「早く結婚して独立してほしいとも思うのですが、親の話をうっとうしがらずに聞いている寛の姿を見ていると、僕らのほうが早く子離れしなければダメなのかな、とも思います」と光男氏は苦笑するが、父母の支えが優勝に貢献したのは、間違いない。優勝を決めたときも「相手に失礼だから」と遠慮し、派手なガッツポーズをしなかった青年は、この家庭環境ではぐくまれた。

 
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