例年8月中旬に行われている全米プロが、来年はリオ五輪(8月5~21日)のため、7月28~31日に前倒しして開催されるのだが、不満の声も上がっている。
というのも、リオ五輪が個人戦ストロークプレーだからだ。
JGA(日本ゴルフ協会)のオリンピック対策本部強化委員長に就任した倉本昌弘PGA(日本プロゴルフ協会)会長は「個人戦だけだと他の試合と何ら変わらなくなる。それに今の選出システムでは、米国や女子の韓国など世界ランク上位者が出場できず、ゴルフ後進国など300位とかの選手が出ては、勝負は最初から決まってしまう。国別団体戦なら五輪の目的である"参加すること"だけでも意味があるだろうが……」
チーム競技のことはIOC(国際オリンピック委員会)にも届いていて、全英オープン視察に訪れたトーマス・バッハ会長は「まずリオでの結果をみてから検討したい。だから東京五輪のことはまだ何もコメントできない」と発表した。
「五輪は国別団体戦でないと意味がない」とは選手側のアダム・スコットななども最初からいってきたこと。
全米プロ前倒しにより、メジャーのスケジュールは全米オープンが6月16~19日、全英オープンが7月14~17日、全米プロが7月28~31日と、ハードスケジュールに。
「これでマスターズを除き、選手たちはメジャー3戦をたった46日間で闘わねばならない。選手たちに負担がかかることだけは間違いない。なのでトッププロたちはもしかしたら五輪へは出ないかもしれませんよ。実際そういうことをいっている選手もいます」(テレビ解説者・岩田禎夫氏)
五輪でのゴルフ、112年ぶりに開催されることは歓迎されても、試合形式、出場資格などを巡ってこれからも何かと論議を呼びそうだ。
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