静岡県西伊豆町の川で、電気柵による感電で2人死亡する事故があった。それを受けゴルフ場でのイノシシ除けの電気柵について、経済産業省は関係業界に安全喚起を呼びかけた。
事件の後、経産省は緊急対策会議を開き、日本ゴルフ場経営者協会、全日本ゴルフ練習場連盟などにゴルフ場の電気柵の安全管理確保の通知を行った。
また日本ゴルフ場支配人会連合会は、全国のゴルフ場に漏電遮断器や注意看板設置など安全対策の徹底を要請。具体的対応策としては、電気柵の電気は電気柵専用の電源装置を使うことや、人が立ち入る場所では漏電遮断器を設置することを紹介している。
これまでの安全対策として経産省はパルス発生装置(1秒ごとに百万分の1秒電気を流す)の設置を昭和40年(1965)に義務化し、平成18年(2006)には漏電遮断機の設置を義務化した。
「パルス発生装置と漏電遮断器を設置していれば万全。ただし正規メーカーが設置してPSEのマークがついていることが条件です」とは設置業者のタイガー㈱の赤井克己氏。
PSEマークとはすべての電気用品に国が安全と認可した印。つまり正規のメーカーによる設置なら大丈夫といえそうだが、問題は平成18年以前に設置されたゴルフ場。安全装置が洩れているケースがないとはいえない。
旧聞になるが、02年のファンケルシニア。林のなかで中村忠夫はバックスウィング中、お尻が電気柵に触れて「衝撃を感じた」という感電事件があった。
電気柵を設置している滋賀県のあるコースに聞くと「イノシシは夜行性と聞いているので、昼間は切っており、ゴルファーに危険はありません」。
しかし、最近ではイノシシは夜行性というわけでなく、人を避けているだけといわれ、昼間も通電したままのコースもあるという。
弱電とはいえ、電気は流れているのだし、予想してないで突然触れると衝撃度は倍加する。"触れない"を鉄則にしよう。
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