岩田寛の「シート打ち」同じケースがかつて全英でもあった
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2015/9/28・10/6号
2015/9/29更新

岩田寛の「シート打ち」
同じケースがかつて全英でもあった

 フジサンケイクラシック、18番でギャラリーが座っていたレジャーシートの上から球を打つという珍プレーを演じた岩田寛。よく調べてみると、まったく同じシュチエーションの"現場"があった。

レジャーシートの上のボールを打った

 91年、ロイヤルバークデールで行われた全英オープン2日目の15番。ここではグレッグ・ノーマンが主役。ギャラリーの中に打ち込んだノーマンのボールはギャラリーが座っていた新聞紙、紙袋、セーターの間にピタリ。その際、随行していたのが、全英でレフリー(競技委員)歴2年目の川田太三氏だった。

 岩田は競技委員を「シートの上から打ってもいいか?」との確認で呼んだが、ノーマンはどう処置していいか裁定を求めて川田氏を呼んだ。

「実はこの場合、ドロップなのか、リプレースに当たるか私は迷っていた。ノーマンの顔を見ると、そのままで打ちたいという表情がありあり。いいライでしたから」(同)

 というのも、ドロップするとラフの中にしなければならず次のアプローチでスピンをかけられなくなる……。岩田も「低い球筋でスピンをかけなければならない状況。ラフでドロップするよりシートの上から打ったほうがスピンはかけられる」とコメント。ノーマンと同じ考えだった。

 話を戻すと、川田氏がさらにノーマンのボールをよく見ると、ぎりぎりで新聞紙にもセーターにも触れていない。そこで「動かせる障害物」として、ノーマンに新聞紙、セーターを取るように指示。もしそこでボールが動いても、リプレースの場合は許される。無事、取り除けてノーマンの希望通りのライで打つことができ、また多くのギャラリーが行く末を見守るなか、素早く裁定できて新米レフリーも面目が立ったというエピソードの顛末──。

ゴルフでは何が起こるかわからない。

 
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