プレーオフの最終戦に勝って、1000万ドルのボーナスとともに今季の年間王者の栄冠を手に入れたスピース。誰もが納得のキング誕生で、ツアー側も安堵のため息をついたはずだ。
というのも、米ツアーは今年もプレーオフのポイントシステムを変更していたからだ。最終戦の前に年間ポイントの2度目のリセットが行われ、理論上最終戦に参戦した誰もが、年間王者になれる可能性があったのだ。
ポイント下位のプレーヤーは、上位のプレーヤーが最終戦で崩れなければ、年間王者にはなれなかったが、少なくとも、上位5人に関しては、この試合に勝てば、ほかの選手がどんな成績であろうと年間王者が約束されていた。そうしたなか、ポイントランキング4位だったヘンリック・ステンソンが、初日、2日目と試合をリードし、ツアー関係者の気を揉ませたのだ。もしステンソンが逃げ切ると、今季1勝もしていない選手が最終戦の勝利だけで、年間王者になってしまうからだ。となれば、ポイント配分やリセットの仕方に批判の声が出るのは必至。その点、スピースは今季5勝で年間王者にふさわしいといえる。
しかも、スピースは、「5月のプレーヤーズ選手権で予選落ちし、それと前後して、ローリー・マキロイが2勝している、あの頃が今季のもっとも調子の悪い時期だったが、6月の全米オープンで復活した。このプレーオフでもそうだが、健康なら、この後20年、休んだり調子が悪かったりしても、今の高いレベルに素早く戻れるという大きな自信になった」と語っている。
これからの米ツアーを背負って立つアメリカ人選手が開花した年に、年間王者の称号を与えることができたのだから、ツアー側が手放しで喜ぶのも無理はない。
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