「引退ではありません」勝つために休養決めた諸見里しのぶ
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2015/11/24号
2015/11/17更新

「引退ではありません」
勝つために休養決めた諸見里しのぶ

 メジャー3勝を含む、ツアー通算9勝の諸見里しのぶ。現在、賞金ランクは79位で、4日から始まったセカンドQTへの出場が予定されていた。ところが、これを欠場し、来年の出場資格を失うこととなった。引退説まで出た諸見里に改めて話を聞いた。

10勝目を目指し、休養の決断を下した諸見里

「09年以来、肋軟骨炎に見舞われ、薬などで痛みを抑えながら騙し騙しやってきたのですが……。もともとあったイネ科アレルギーも年を追うごとに悪化し、勇気をもって体調を整えることを決断しました」と、諸見里。一部引退との報道については、「10勝目を挙げたいし、(唯一、獲得していないメジャー競技)リコーでも勝ちたい。そのための休養です」と、きっぱり否定。諸見里の肋軟骨はすでに石灰化しており、「ゴルフをしながら治すのは不可能」(所属事務所)ということらしい。常に痛みがあるわけではないのだが、いつ激痛が走るかわからず、そのためここ数年は思い切ったスウィングもできなかった。

「今シーズンは久々に気持ちいい、楽しい気持ちでシーズンインができた」という諸見里だったが、8月のNEC軽井沢でスウィング中にバキッという音とともに激痛が走ったという。くわえて春と秋には花粉アレルギーに襲われ、睡眠不足の日々が続いた。

「普通の人間であれば弱音のひとつも吐くところを、本当によく頑張ってきた」とは、所属事務所の関係者だ。

 さて、気になるのは諸見里の来季だが、シード権を失った選手が出場できるのは、まずは年間8試合が上限の主催者推薦だ。通常、推薦が受けられる条件はセカンドQTに出場することだが、日本女子プロを制している諸見里の場合、これが免除されている。さらに過去10年の優勝者の資格で日本女子オープン、過去10年の年間4勝以上の資格で日本女子プロ選手権の出場資格を保有している。「ゴルフ界一」といわれる人柄の良さもあり、8試合の推薦はほぼ確実とみられ、来年は体調を整えた後半戦を中心に10試合は出場するとみられる。

 ちょうど10年前、ルーキーイヤーだった05年は、日本女子オープン(5位)、マスターズレディス(4位タイ)、樋口久子IDC大塚家具レディス(2位タイ)のわずか3試合でシード権を獲得した実績もあるだけに、再びトーナメントで笑顔が見られることに期待したい。

 
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