前号で紹介した来年1月からのルール改訂。これに強い影響を与えたプレーヤーが二人いたことが明らかになってきた。
チャリティにも熱心な松山
1人は日本の松山英樹だ。アマチュアが事前に承認されたチャリティに寄付をする場合は、プロの試合での賞金を手にできるというアマチュア規定を松山が動かしたのだ。
「このアイデアは、日本で津波災害のあった2011年にさかのぼる。まだアマだったヒデキ・マツヤマが、あるイベント(マスターズ)に招待され、非常に意味のある(津波の)災害救済基金に寄付するために彼の賞金を手にしたいと申し出たのだ。その時点では、彼の望みをかなえることができなかったが、それが、私たちのこのルールへの再考を促した」とR&Aのルールと用品のエクゼクティブディレクターであるデビット・リックマン氏は語っている。まさにこのアマチュア新規定は"松山ルール"といっても過言ではなさそうだ。
ルールを動かしたもう1人は、タイガー・ウッズだ。2013年のマスターズ、第2ラウンド15番で、タイガーの打ったボールがピンフラッグに当たって池に落ちたシーンを覚えている向きも多いはず。この際、打ち直しのためのボールのドロップがイリーガルとして、スコアカード提出後に2罰打を科せられた。ラウンド中にドロップの位置が間違っていることが指摘されていたが、スコアテントにまでは届かず、スコア誤記となったために、失格とならずに救済された。後追いだが、これが、今回の規則6-6d(スコア誤記)の例外として追加されるきっかけになったようだ。
ちなみに、タイガーの件も松山が寄付を申し出た試合もいずれもマスターズ。この二つのルール改訂には、オーガスタナショナルの強力な影響力もあったのかも?
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