4年に1度見直され、来年発行される「2016年版ゴルフ規則書」だが、今回は画期的出来事があった。
2016年版(右)からUSGAとR&Aの連名に
その前に今回の変更点を説明しておくと、4つある。18-2bのアドレス後にボールが動いた際の罰則規定と、6-6dのスコア提出時罰打付加に関する規定。14-3に定められる人工の機器、異常な携帯品の罰則変更と14-1bに追加されるアンカリングによるストロークの禁止だ。
しかし、驚いたのは規則書発行所がR&A(ロイヤル・アンド・エーシェント・ゴルフクラブ)と、USGA(全米ゴルフ協会)と併記されたことだ。つまり「世界のゴルフルールは1つ」(R&A規則委員長、デービッド・ボンゾール氏)という理想の統括状態になったわけだ。これまではアメリカ大陸をUSGAが、それ以外の国(日本も)をR&Aがカバー。規則書も別々に発行していた。共同で統括の気運は1952年に始まり、まずはボールのサイズをUSGAが使用していたラージに統一。
「米国に寄ってきている。というのも英国は法律も慣習法で、語法も曖昧な点が多い。しかし米国は法律も成文法、USGA規則委員会もほとんどが弁護士で、正確な条文になるわけです。米国寄りというのは前回、『ホールインワンではアマも賞金がもらえる』条項もUSGAから出たこと」(R&A、USGAの競技委員、川田太三氏)
また他の抜本的改革のため両団体でのプロジェクト立ち上がっている。
「スコットランドで13か条で始まったルールは現在、34条の規則、裁定集を合わせると2000にもなる。これを簡素化することが急務」(前出・ボンゾール氏)
「たとえばフェアウェイとバンカーでのルールを共通化するなど。実は08年から簡素化の波はきています」(ルール研究家・小山混氏)。今後ルールブックはいまの"半分"になるのではとする関係者もいる。次の4年後に期待しよう。
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