ターンベリーといえば全英オープン開催コースのひとつとしてよく知られているが、開催ローテーションから外されることになった。
同コースのオーナーであり、米大統領候補であるドナルド・トランプの度重なる人種差別発言を全英主催のR&Aが問題視したためである。
R&Aは昨年、260年の禁を破って女性会員を名誉一般の7人ずつ受け入れ、今年もまた2人の名誉、7人の一般会員を加えた。昨年の名誉会員1人が死亡したため、現在22人の女性会員がいることになる。そういった状況に配慮するとともに、スポンサーや外国人選手のボイコットも避ける意味も含め、ローテーションから外す決断をしたようだ。PGAオブ・アメリカは今年6月のグランドスラムの会場だったトランプ・ナショナルの使用を差別発言の後、すぐさま中止。またPGAツアーは、トランプ所有のドラルG&Rで行われているキャデラック選手権を17年から別のコースへ移す検討を始めている。LPGAも今年は準備が間に合わずターンベリーで全英女子オープンを開催したが、次の予定はない。
不動産王・トランプはリーマンショックで米国経済が下降し、ゴルフ場経営が難航していくなか、攻勢に転じ成功、「自分が経営するコースでメジャーを開催する」と広言し、12年にドラルを、14年にはターンベリーを買収した。
「全英は各コースをほぼ10年間隔で回っていて(オールドコースは5年ごと)、ターンベリーは09年に開催して、次は19年の予定でしたが、ポートラッシュに決まった。20年はオールドコースなので、開催予定がなくトランプも全英開催に目が向いていないのかも……」(R&Aで16年間、競技委員を務めた川田太三氏)
ターンベリーはもう全英へ戻って来ないのか?「オーナーが問題なだけなので、コースを売却したらカムバックします」(同)とのこと。トランプの動向にますます注目が集まる。
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