"モノ言う株主"村上世彰に狙われた会社が積極投資路線に
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2016/03/01号
2016/02/23更新

"モノ言う株主"村上世彰に
狙われた会社が積極投資路線に

 米国キャロウェイ社の日本法人・キャロウェイゴルフが、TSIホールディングスという上場会社と合弁会社を設立することになった。

 日本で売られているキャロウェイのアパレル製品は、実はこの2社から供給されていて、今回の合弁会社設立で商品ラインナップを再構築させる、というもの。

 このTSIという会社、2012年にアパレルのサンエー・インターナショナルと東京スタイルが経営統合して誕生している。サンエー社は2001年12 月にキャロウェイ製品の生産・販売ライセンスを取得。日本独自のキャロウェイ製品を供給してきた。

 従来のすみ分けは、TSIがウェアやキャップなど、キャロウェイゴルフはツアーキャップ、シューズ、靴下、サングラス、それにバッグやクラブカバーなど。

 今回はバッグやクラブカバーなどはキャロウェイゴルフに残すが、それ以外は全て新会社で手がける。これによってデザインに一貫性を持たせることが可能になり、「上から下までトータルコーディネートできるようになる」(TSI)という。

 TSIは経営統合以降3期営業赤字が続き、不採算ブランドの廃止や大量閉店などのリストラ策を講じ、漸く2015年2月期に営業黒字に転換した。現在は前向きの投資に積極的に取り組んでおり、今回の合弁会社設立もその路線に沿ったもの。

 ところでTSIといえば、統合前の東京スタイルがかつて、昨年末に証券取引等監視委員会の強制調査を受けた、『モノ言う株主』村上世彰氏のターゲットになったことがある。強制調査もTSI株式の取引が原因だったが、村上氏は今では同社株を全て売却済み。従って今回の構想に村上氏は全く無関係だ。ただ、村上氏のターゲットになっただけあって、キャッシュは豊富とも思われ、新会社設立もうなずける話ではある。

 
【関連記事】こちらも注目です!
2013/01/28 今度はファンド登場で新局面。PGMのアコーディア株TOB結局、不成立に終わる
2006/07/04 何かと話題の「TOB」。ゴルフ場でも珍しい株式公開買付で企業買収が成立


一覧へ戻る


バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト