米国キャロウェイ社の日本法人・キャロウェイゴルフが、TSIホールディングスという上場会社と合弁会社を設立することになった。
日本で売られているキャロウェイのアパレル製品は、実はこの2社から供給されていて、今回の合弁会社設立で商品ラインナップを再構築させる、というもの。
このTSIという会社、2012年にアパレルのサンエー・インターナショナルと東京スタイルが経営統合して誕生している。サンエー社は2001年12 月にキャロウェイ製品の生産・販売ライセンスを取得。日本独自のキャロウェイ製品を供給してきた。
従来のすみ分けは、TSIがウェアやキャップなど、キャロウェイゴルフはツアーキャップ、シューズ、靴下、サングラス、それにバッグやクラブカバーなど。
今回はバッグやクラブカバーなどはキャロウェイゴルフに残すが、それ以外は全て新会社で手がける。これによってデザインに一貫性を持たせることが可能になり、「上から下までトータルコーディネートできるようになる」(TSI)という。
TSIは経営統合以降3期営業赤字が続き、不採算ブランドの廃止や大量閉店などのリストラ策を講じ、漸く2015年2月期に営業黒字に転換した。現在は前向きの投資に積極的に取り組んでおり、今回の合弁会社設立もその路線に沿ったもの。
ところでTSIといえば、統合前の東京スタイルがかつて、昨年末に証券取引等監視委員会の強制調査を受けた、『モノ言う株主』村上世彰氏のターゲットになったことがある。強制調査もTSI株式の取引が原因だったが、村上氏は今では同社株を全て売却済み。従って今回の構想に村上氏は全く無関係だ。ただ、村上氏のターゲットになっただけあって、キャッシュは豊富とも思われ、新会社設立もうなずける話ではある。
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