誰がペブルビーチでのボーン・テーラーの優勝を予想しただろう? 試合の直前まで、出場できるかどうかも定かではなく、しかも直前の下部ツアーの試合は食中毒で棄権していたのだから……。
ペブルビーチプロアマは、3コースで開催されることから、出場者が多く、シード権を持たないテーラーにもチャンスが回ってきた。
2004年、05年のレノタホオープン優勝という"肩書き"はあるものの、過去数年の間、テーラーの名前をメディアが取り上げたのは、2年ほど前に、川釣りでボートから落ちて溺れかけたときくらい。タイガーと同級で3月に40歳になるテーラーは、いわば、ゴルフでは"過去の人"と思われていたのだ。
「まさか勝てるとは思わなかった! 10位以内に入ればいいと思っていたんだよ。そうすれば、来週も出場できるからね」とテーラー自身も驚きを隠せない。さらに、「これでマスターズに出られるなんて、こんなにうれしいことはない」とオーガスタ育ちで、オーガスタ在住の"無名プロ"は喜びを爆発させた。
クラブ契約は、同じ名の「テーラーメイド」だが、試合では、アマチュアが持つようなスタンド付きの小ぶりのキャディバッグでプレー。理由は「手荷物の重量制限を超えたくなかったから」というからつつましい。
今回の優勝について「妻のおかげ」としながらも「決してあきらめずに、厳しい練習を続けたから」とキッパリ。加えて、「ものすごく助けになった」と本人がいうのが「ロボゴルフプロ」というロボット練習機。「数年前もこのペブルビーチに補欠の1番で来ていたけど、出場できなかった。そのとき、興味本位でこの練習機のブースをのぞいてみたらすごく良くて」と絶賛。妻にくわえて、ロボットのおかげでもあるらしい。
世界ランク447位の不惑間近の選手がトップ10のプレーヤーが6人も出場する米ツアーで勝利。なんとも夢のある話ではないか。
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