今年は、クラブを体に固定してストロークするアンカリング禁止のルール施行元年。長尺パターでマスターズを制したアダム・スコットは「もう勝てないのではないか」と囁かれていたが、ノーマルパターで見事復活を果たした。
ホンダクラシックの最終日に、セルヒオ・ガルシアとの激闘を制して、14年以来となる12勝目を挙げたアダム・スコットの手に握られていたのは、スコッティ・キャメロンのRev X10エクスペリメンタル(プロトタイプ)というマレット型のパターで、同じ豪州のB・ラムフォードからヒントを得たというクローグリップでストロークしていた。
「長尺パターの握り方とは違うけど、とても似た感じで、気持ちよくストロークできるんだ。すっかりなじんできたよ」(スコット)
昨シーズンからパットに悩むスコットをつぶさに見てきたプロコーチの内藤雄士はこう言う。
「昨年、スコットがノーマルパターにトライしたときには、まるで長尺パターを扱うように両腕を固めて、ショルダーストロークで打とうとしていました。それが上手くいかず、メジャーでは長尺パターに戻しましたが、短いパターの練習ばかりしていたので、長いほうも錆びついてしまったように見えました」
それではなぜホンダをノーマルパターで制することができたのだろうか。
「パターのグリッププレッシャーがものすごくソフトになっていました。パター巧者の握り方は総じて非常に柔らかいものなんです。しかし、一度イップスになると、怖くてソフトに握れなくなってしまいます。ソフトに握るのは、技術もさることながら勇気と自信なのです」と内藤は言う。
スコットの勝利は"勇気と自信"がキーワードだった。
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