サブグリーンに乗ったボールはそのまま打つべきか? ドロップか? 論議が再燃している。
チヒはサブグリーンからウェッジで
先週のヤマハレディースで、優勝したイ・チヒが15番でサブグリーンに乗ったボールをそのまま打ったが、欧米のゼネラルルールではドロップして打つケースだった。
規則25? 3 b は英語で「Wrong Putting Green」、日本では「目的外のパッティンググリーン」と訳されているが、ここは次のような規定になっている。「目的外のパッティンググリーンにある場合、プレーヤーは球をあるがままの状態で打ってはならない。罰なしに救ドロップ済を受けなければならない」。つまり欧米のトーナメントならサブグリーンも目的外のグリーンであり、ドロップすべきなのだ。しかし、日本女子ツアー(日本男子ツアーも)では、サブグリーンは「目的外のグリーン」ではなく、スルーザグリーンと規定していて、"あるがまま"の原則通り、そのまま打つという日本独自の「ローカルルール」を作っている。一方、日本で行われる米女子ツアーのTOTOジャパンクラシック(以前はミズノクラシック)では欧米流のルールで行われている。JGA主催の日本オープン、日本女子オープンなども欧米ルール。これは05年に始まった全米オープン日本予選がきっかけと推測される。同予選運営はUSGA方式だったため、サブグリーンは目的外のグリーンとみなされたのである。
このルールができたのは1952年の米国。パインバレーGCの9番グリーンは春先、状態が悪く休養させるため、臨時のグリーンを造ったのがきっかけという説が有力。休養中のメイングリーンにボールが乗った場合、芝保護のためにUSGA、R&Aに働きかけルール化したといわれる。
「『正しいグリーン』とはプレーするホールのピンが立ったそれであり、サブグリーンも他のホールのグリーンも練習グリーンもすべてWrong=目的外のグリーンというのが欧米ルールなのです」(USGA、R&Aの競技委員、川田太三氏)
普段のアマのプレーにはドロップさせ、プロトーナメントではそのまま打たせるというのも整合性に欠ける。日本のプロが欧米の試合に出て戸惑う理由でもあろう。ルールを一本化する時期に来ているのかもしれない。
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