プロにとってクラブは大切な商売道具。だからクラフトマンに納得がいくまで自分に合うベストのフィッティングをしてもらうのだが、佐藤信人は自らフィッターになってしまった。
「フィッティングの大切さを広める」と佐藤
佐藤が所属するミズノでは、クラブフィッティングのスキル向上のため、フィッターの社内認定制度(委託店舗も含む)を設けている。その階層はマスターフィッターを頂点に、チーフフィッター以下1級~4級まであり、総勢90人ほどで、最上位のマスターは佐藤を含めてわずか3人。
3級と4級の資格は講習を受講すれば取れるが、2級以上は筆記試験と実技試験で認定される。この2級以上になると、顧客に対して有料でのフィッティングができるようになるというから、その道の"プロ"に認定されたといってもいいだろう。
さらに、マスターとチーフは、フィッティング理論の進化やフィッターの育成など指導者的な役割を担い社内のスキルアップも業務となる。
「佐藤プロは、ツアープロとしての実績とゴルフ業界での認知度を利用して、フィッティングの"広報大使"的な意味も含めて、マスターに就任してもらいました」(ミズノ)といささか"名誉職"的な雰囲気もあるのだが、佐藤は「フィッティングは最近本当に大切になってきたので、それをゴルフファンの方たちに広めていきたいとこの活動を始めました」と話す。
かつてミズノの社員で、25年ほど前に独立したカリスマクラフトマンの喜多和生氏はこう話す。
「30年ぐらい前に私がマイスター制度というのをミズノ社内に作りました。オーダーメイドができる職人で当時3人が認定されていましたが、他社にはそういったものはありませんでした」
クラフト精神はミズノのDNAなのだろう。
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