馳大臣の地元富山で利用税減額。撤廃への前兆か?
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2016/04/19号
2016/04/28更新

馳大臣の地元富山で
利用税減額。撤廃への前兆か?

 ゴルフ場利用税の減税が愛媛県、富山県と相次いで施行。長年の懸案であるゴルフ利用税撤廃への前兆といえるのだろうか?

 愛媛県では4月1日からゴルフ場利用税の課税率を見直し、その率を大幅に引き下げた。これによって、ゴルファー一人1日あたりの利用税の軽減額は最大で350円になる。課税率の算出基準を改定したためだが、なぜこのタイミングで改正したのだろうか。

 同県では来年、愛媛国体があり、ゴルフも種目に入っている。このままでは国体の強化選手が練習ラウンドする際も課税されるので、その負担を少しでも軽減するのが狙い。

 もともと、ゴルフ場利用税は平成元年に娯楽施設利用税から移行したもの。その際、多くの県は税率を下げたが、愛媛県はそのままだったので、ほかの中四国県(約600円)より200円ほど高かった。それが是正され、さらに他県より少し安くなったというわけだ。国体選手だけでなく一般ゴルファーにも適用され、ゴルフ振興の一助になると期待する向きもある。

 一方、富山県でも減税をすでに検討し、3月末に減税内容をゴルフ場に伝えている。1ゴルフ場平均で6パーセント強の軽減とするもので、4月1日から施行している。

 過日、参議院文部科学部会で馳浩大臣は「ゴルフが正式種目となったリオ五輪、2020年には東京五輪があり、今年はぜひとも29年度税制改正要望に利用税廃止を盛り込みたい」と答弁。先の愛媛、富山とあいまって利用税廃止へと動き始めたようにも見えるが?

 「関西の"ゴルフ場県"県知事などは絶対利用税は廃止しないといっている。多くの県にとっては"税収の主役"となっているところが多い。代わりの財源もないのに、廃止はないでしょうね。もちろん東京五輪に向けて減税の論議は進むでしょうが……」(ゴルフ場コンサルタント・原勝己氏)

 行政側の"取りやすいところから取る"という税収の仕組みからすると、原氏の発言もうなずける。「ただ一般ゴルファーの署名など、国民的議論になれば別ですよ」(同)

 事態の進行が注目される。

 
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