鬼頭 桜無念の失格。新ルールで救われなかったワケとは
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2016/05/03号
2016/05/12更新

鬼頭 桜無念の失格。
新ルールで救われなかったワケとは

 スタジオアリス2日目、鬼頭桜が前日のボール処置違反で失格になった。「今年改訂されたルールで救われるのでは?」との疑問の声も上がったが、やはり「失格」は免れないケースだった。

「無知が悔しい」と嘆いた鬼頭

 同大会、初日の10番(パー5)で鬼頭はチップインイーグルをとったと思われたが、ボールがピン(旗竿)とカップの間にはさまり、完全にカップに入っていなかったことが、翌日にギャラリーの指摘で発覚。ゴルフ規則17-4「球が旗竿に寄りかかったりして、ホールの縁より完全に入っていない場合、旗竿を動かせる。球が落ち込めば球は入ったことになる。落ちなかった場合、罰なしにホール縁にプレースされなければならない」とある。鬼頭の球はホールの縁より下になかったのに、取り上げたためホールアウトしなかったと判断された。ホールアウトしなかった場合、同3-2「その誤りを次のティーグラウンドからストロークする前(最終ホールではグリーンを離れる前)に訂正しないと失格になる」となっている。

 また、ギャラリーの通報や、テレビカメラで後日、違反が発覚した場合、いわゆる"ハリントンルール"同33-7(今年改訂)で「本人が違反を自覚していなければ、現場の肉眼による判断を優先する」のだが、鬼頭の場合は球が入っていないことを自分で認めているのであてはまらない。

 さらに、今年改訂された同6-6d例外に、「スコアカードを提出した後、改めて違反が発覚した場合、『違反した罰打プラス2打罰』を加えることで競技失格を免れることができる」とある。しかし、「初の裁定なので時間をかけましたが、ホールアウトしていないので"違反した罰打"もありえず、失格としました」(LPGA競技委員・大谷英明氏)と、やはり救われなかった。

 鬼頭はこれで初日のスコア「67」も、イーグルの記録もすべて幻になった。本人は「ホールアウトの完了を気にしたこともなかった。自分の無知が悔しい」と嘆いたという。ルール無知は自分が損をする。ルール習熟は技術習得と同じくらい大切なものだと肝に銘じてもらいたいものだ。

 
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