国内ツアーのテレビ中継は、従来は昼過ぎ~夕方の録画中継が主流だった。しかし、2~3年前からBS・CS放送やネットによるライブ中継が登場。最近はそれが進化し始めた。
例えば、4月のフジサンケイレディスでは名物の17番パー3の模様をLINEとユーチューブでライブ中継。同週の男子ツアー、パナソニックオープン(アジアンツアーとの共催競技)では、海外に向けて英語によるネット中継が実施されるなど、新しい試みが見られた。
ネットのライブ中継の先駆けは、女子ツアーのサイバーエージェントやTポイントレディスだが、ともに解説を担当し、ゴルフを巡るメディア事情にも詳しいタケ小山氏は最近の状況を、「テレビ局が持つ権利関係で状況が一気に変わるのは難しいのですが、主催者側にネットによる、より魅力的なライブ中継を求める声が出てきたことは間違いない」と語る。テレビ中継並みのカメラ台数を用意したり、トラックマンや(弾道の軌跡を標示する)プロトレーサーといった高価な機器を持ち込む。あるいは魅力的な解説者を迎え入れるなど、各段に意欲的になってきた。
ネット中継の場合、視聴数の増加は広告収入などマネタライズ(無料サービスから収益を上げること)のチャンス拡大に直結する。より魅力的な番組作りを指向するのは当然なのだろう。そして、そうした指向は最終的にはトーナメントづくりにも反映される。
アメリカでは、テレビの完全ライブ中継は当たり前だが、今年のマスターズではアーメンコーナーの超高画質4K放送や専用ヘッドセットを使ってのバーチャルリアリティのネット中継が始まった。
遅ればせながら、日本のトーナメント中継も大きく変わろうとしている。
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