国内ツアーで4戦して3勝(ミズノ終了時)。昨年の賞金王、キム・キョンテが今年も快進撃を見せている。とはいえ、ドライバーが左右に曲がるシーンも多く、ショットの内容は決して良くない。それでも"勝ててしまう"のは、なぜなのか。
世界ランクも30位台に浮上し、五輪も有力に
国内初戦の東建ホームメイトで、キョンテとのプレーオフで敗れた近藤共弘は、「思ったよりもキョンテ選手の調子は悪かった」と振り返った。キョンテは3Hに及ぶプレーオフで1Wを一度も使わず、それでも1H目は左のバンカーに入れ、2H目も右のバンカーへ。3H目でようやくフェアウェイキープに成功するという有様だった。
2勝目の中日クラウンズは、片岡大育が17番パー3でダブルボギーを叩き、自滅する形でプレーオフにもつれ込んだ。3勝目のミズノオープンでは、最終日に1つもバーディを奪えず、1ボギーで貯金を守って勝利。いずれも"絶好調"といえないコンディションでの優勝だった。
キョンテを中学1年から指導したハン・ヨンヒ氏は「韓国人選手は安定したスウィングで正確性を重視する。日本人選手のような攻撃的ゴルフではないので、派手さはない。その代表がキム・キョンテだ」という。
実際、キョンテが重視している練習はグリーンまわりだ。「そのコースのグリーンまわりを想定してアプローチの練習を毎日やっています。カップの位置が4日間どこになるのかだいたいわかっていますから、それを考えて練習するのです」とキョンテ。
昨オフには、韓国の先輩プロ、J・K・モーの指導でトップをコンパクトに改造。
「飛ばそうとしない」ことを徹底したという。ミズノ終了後の部門別ランキングでは、ドライビングディスタンスは272・56ヤードで69位だ。
米PGAツアーに挑戦した一時期、飛距離を求めてスランプに陥るという苦い経験をしているキョンテだが、その教訓から勝利の方程式、「飛ばそうとしない、勝負はグリーン回り」を導き出したのかもしれない。
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