歴史的な逆転負けを喫したマスターズから2カ月弱、ジョーダン・スピースが地元・テキサス州で行われたディーン&デルーカ招待で優勝、ようやく"マスターズショック"からの立ち直りを見せた。
マスターズでは茫然としていたが…
マスターズの後、丸4週間の休養を取ったスピース。もっともこれは「(昨年の)プレジデンツカップからの過密スケジュールで疲労が蓄積していたから」(スピース)で、マスターズ前から決めていた予定の休養。マスターズの翌週は、リッキー・ファウラーら仲のいいツアー仲間4人でバハマ旅行を満喫している。
その後、スポンサーの広告撮影などがあり、休養3週目からジムトレーニングを再開、4週目の後半から本格的にボールを打ち始めた。しかし、休養十分で臨んだ復帰初戦のプレーヤーズ選手権では、まさかの予選落ち。翌週のAT&Tでも、トップと2打差で3日目を終えるも、最終日に「74」と失速したスピース。復調はまだ先かと思われたが、ディーン&デルーカでは、3日目に首位に立つと、最終日のバック9で6つのバーディを奪い、逃げ切り。昨シーズンのような"強いスピース"が戻ってきた印象だ。「インタビュールームやコースで(記者やギャラリーが)1カ月前と同じことをいうのを聞くという状況がいつまで続くのかわからなかったし、そういう環境で、目の前のことに集中し、ポジティブな気持ちを保ち続けるのは難しかった」と、胸の内を明かしたスピース。本人のなかでは、マスターズの敗戦は「最悪のタイミングで最悪のミスをしてしまっただけ」と、原因分析も終えて、前に向かって歩き出そうとしていたのだが、情のようだ。
まだ22歳。「プロゴルファーとしてこの先30年、何が起こっても、この優勝は最も重要な経験になるだろう」と本人がいうように、マスターズでの挫折も、それを乗り越えた自信も、今後のスピースの血肉となるに違いない。
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