開会式まで2カ月を切ったリオ五輪。112年ぶりにゴルフが正式種目に復活するが、不参加を表明するトッププレーヤーたちも少なくない。彼らが挙げる理由は、過密日程とジカ熱だ。
多忙を理由に欠場を表明したのはアダム・スコットやルイ・ウェストハイゼン、シャール・シュワーツェルら。一方、フィジーのビジェイ・シン、オーストラリアのマーク・リーシュマンはジカ熱への不安から出場辞退の意向を示した。
さらに、ローリー・マキロイも「家族への影響を第一に考えないといけない」と、ジカ熱の影響による欠場の可能性を示唆。日本代表選出ほぼ確実の松山英樹も「ギリギリにならないとわからない」と、態度を保留している。
国立感染症研究所によるとジカ熱とは「ジカウイルスによる感染症。症状はデング熱に類似するが、それよりは軽い」という。具体的には、軽い発熱や発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、疲労感、倦怠感、頭痛などの症状が出る。とくに妊婦がかかると、胎児の小頭症の原因になるとされる。
中南米を中心に現在も流行中で、なかでもリオデジャネイロ州は、ブラジル国内で感染者数が最大という。対策として政府は2月、軍兵士22万人を動員して蚊の駆除を実施。それでも、2月中旬から4月上旬にかけてリオ州で約2万6000人が感染。先月27日には医師、科学者、研究者ら世界の専門家150人が世界保健機関(WHO)に対して、五輪開催延期か開催地の変更を求め、WHOが「現状の評価では、五輪を延期したり中止したりする公衆衛生上の理由はない」との見解を示すというやりとりもあった。
五輪期間中には競技会場を毎日検査することも決定したが、蚊が避けられない屋外競技のゴルフゆえ、躊躇する選手がいるのも無理はない。五輪という栄誉と、出場への不安。選出基準となる7月11日の世界ランク発表後、マキロイや松山には悩ましい決断が待ち構える。
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