先々週のハンダカップではトップ10に日本選手が平塚哲二(5位)ただ一人。さすがに「大丈夫なのか」の声が上がった。
トップ10に日本選手が一人という状態は88年と91年のダンロップフェニックスに続き3回目。ただ、この頃の同大会は世界のトッププロが集結していたのでワケが違う。
しかし、1980年代と〝選手構造〟は変わっていないというのは、解説者の佐渡充高氏。「あの年代も尾崎、青木、中嶋など突出した選手が少数いるだけでした。選手層がますます薄くなったのはツアーの仕組みゆえ。日本ツアーは世界のグローバル化から遅れて、今や孤立しています」。米ツアーには2部(ウェブドットコム)、3部(ラティーノアメリカ、カナディアン、チャイナ)があって、全選手が競い合い、日本のように自国のツアーだけでやろうと思っている選手は皆無という。しかも2部ツアーでさえ日本ツアーより賞金も高い。今後は、「米ツアーと共同開催するなり提携していくしかないのでは」(同)
日本選手の技術力が絶対的に足りないという声も。9位タイだったP・ハリントンは「飛距離が足りないが、その他は問題ない」といっていたが、これは社交辞令だとゴルフジャーナリストの武藤一彦氏。「青木、女子の宮里藍が世界で通用したのはパットの技術。12フィートを越える速さのグリーンを制するには技術力を磨くしかない。自分の得意技をつきつめることです」
一方、解説者のタケ小山は「今の若手は用具の性能にまかせて打っているだけにしか見えない。パーシモンからメタルに変わった時に工夫、猛練習して技術を確立した最後の世代、片山晋呉、谷口徹を見習ってほしい」と辛口提言。
ゴルフ評論家の岩田禎夫氏は「ゴルフは結局、〝一人〟でするもの。しかし、若手連中はグループで食事をするなど一人の時間が少ない。孤独な時間をつくることこそ自分で考えるいちばんいい方法です」(同)
9戦消化した時点で日本人は2勝。奮起が望まれる。
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