今週は、いよいよ全英オープン。本誌でもたびたびお伝えしているEU離脱の余波がここにも及んでいる。
R&Aは先週5日、今年の全英の賞金額を発表した。総額は昨年より20万ポンド増の650万ポンド。優勝賞金は同2・5万ポンド増えて117・5万ポンドとなった。ところが、イギリスのEU離脱によるポンド暴落により、その"価値"がずいぶん目減りしているのだ。
今年の賞金を円に換算(7日現在1ポンド=約130円)すると、賞金総額は昨年より2600万円増の8億4500万円。優勝賞金は325万円増額の1億5275万円になった。この数字だけを見ればメジャーにふさわしい金額だ。
しかし、ポンドの為替相場は、イギリスが国民投票によりEU離脱を決めるまでは1ポンド=155円前後で推移していた。つまり、短期間で一気に20%近く暴落したことになる。
さらにさかのぼれば、昨年の全英オープンの頃の相場は、なんと190円。この1年で3分の2近くになった。これでは、賞金をちょっと上げたくらいではカバーできない。
昨年優勝したザック・ジョンソンが受け取った115万ポンドを当時のレートで換算すると約2億1850万円なので今年は6575万円も少ない計算になる。
また昨年、日本人最高位だった松山英樹は18位タイで7万ポンド強=1330万円を獲得したが、今年も同じ順位なら950万円程度。日本選手にとっては、なんとも恨めしいイギリスのEU離脱の余波である。
と、ここまでは出場選手のサイフに与える影響。一方、観る側のサイフに関係するのは、ブックメーカーのオッズ(倍率)。ということで、大会の1週間前のオッズは、ジェイソン・デイが一番人気で15/2(賭け金2で、2+15=17の配当)。以下、ローリー・マキロイの8/1、3番人気はダスティン・ジョンソンとジョーダン・スピースの9/1と続く。そして、松山は14番人気でオッズは40/1だ。
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