プロゴルファーたちのリオ五輪辞退については、58頁からの特集でも詳しくお伝えしているが、そもそもリオの治安はそんなに悪いのだろうか。五輪取材を続け、来月のリオ入りを控えるジャーナリストに話を聞いてみた。
五輪取材は5回目というベテランだが、「"もっとも安全な海外取材"といわれるのが五輪であり、現地の人々や世界からやってくる人々と触れあえて、一度でも経験したらやみつきになるほどです。危険な目に遭ったことは一度もありません。リオ同様、準備不足や治安を不安視されていた08年の北京五輪も問題はありませんでした」
しかし、リオではそうもいかないようだという。「現職のルセフ大統領は、政府会計の粉飾に関わったとされ、職務停止中。空港で警官が『WELCOME TO HELL(ようこそ地獄へ)』の横断幕を掲げる国ですから」
サッカーの英雄のひとりであるリバウドは「来ないほうがいい」と、自ら警告しているという。
「ジカ熱やブタインフルエンザの危険性と共に、五輪の指定病院が襲撃されたとか、スラムに紛れ込んだら丸裸にされるとか、やたら不安をあおる情報が耳に入ってきて……」
都内でブラジル料理店を営み、現地事情に詳しい黒澤修二氏もいう。
「もともと観光客はカモにされやすいですが、今は地元の人でも危ないと言われています。オリンピックパークと選手村はしっかりガードされているでしょうが、食事や練習のため外に出るなら選手でも危ないと思います」
カリオカ(リオの人々)でさえも安住ではなく、治安を守る警察でさえも「地獄」と呼ぶリオデジャネイロ。選手が敬遠するのも理解できる気がする。
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