アコーディアが再び外資系ファンドに買収される? 7月14日、米国のファンド・MBKが、ゴルフ場経営大手のアコーディア・ゴルフの買収を検討していることをロイターが報じた。
買収総額は負債込みで1600億円、発行済み株式すべてを買い付ける予定で、完了すればアコーディアは上場廃止になる、とある。
だが、実現には高い高いハードルがある。筆頭株主のレノである。物言う株主・村上世彰氏率いるレノは、アコーディアの約19%の株式を保有する筆頭株主。法制度上、発行済みの3分の2を押さえた大株主は、残り3分の1を保有する株主から、その保有株を強制的に買い取ることができるから、レノ以外の81%の株主のうち8割強が売ってくれれば、レノが抵抗してもレノを追い出せる。
だが、そのためには株主たちが納得するだけの対価を提示しなければならず、負債込みで総額1600億円では少々安い。アコーディアは500億円強の借金を抱えているので、株式を買い取る予算は実質1100億円。報道時点で時価総額は916億円なので、その2割増し程度の金額では3分の2の獲得は心許ない。
しかもこの報道でアコーディアの株価が上がり、時価総額が1000億円を超えてしまったので、1600億円の予算で3分の2を押さえるのは事実上無理だ。
果たしてレノとの話はついているのか。真相をアコーディアに確認したところ、「弊社に対する投資提案は受けているが、詳細な手法まで提案を受けているわけではなく、大株主との折衝についても把握していない」という。
レノがアコーディアの筆頭株主に踊り出たのは2013年の年明け早々。ライバルのPGMがアコーディアに敵対的買収を仕掛けるなか、市場で株式を大量取得しての参戦であって、アコーディア側が頼んでなってもらった株主ではない。
どうやらMBKが「ホワイトナイト」になるのは簡単ではなさそうだ。
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