週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

アメリカでの視聴率が良かったから
五輪ゴルフはもう安泰！？

　男子のトップ選手の出場辞退が相次いだリオ五輪のゴルフ。しかし、競技としては＂成功＂との評価がもっぱらだ。

最終日のチケットはソールドアウトに

　というのも、テレビの視聴率が予想を大きく上回ったからだ。アメリカでは、主にゴルフチャンネルが放映し、ＮＢＣは３時間遅れで録画放送を行ったにもかかわらず、主要都市の視聴率速報では６・３％を叩きだしている。この数字は、今年のゴルフ中継では、マスターズの８・５％に次ぐもので、同様にアメリカ全国の平均視聴率でも５・６％、８８０万人が見た計算になる。

　優勝したジャスティン・ローズの母国イギリスでは、１０００万人の視聴者があったそうで、銀メダルのヘンリク・ステンソンのスウェーデンでは平均55万人、ピーク時には１５０万人が男子ゴルフの中継を見たとか。全英オープンでの視聴率がわずかに６万５０００人、同国の人口が約９５０万人であることを考えれば、ビッグヒットといえるだろう。

　一方、ローズが「どんなに異なった人々が来るのか楽しみだ」と語っていたギャラリーについては、チケットが最終日にソールドアウトとなって話題だったが、実は最初の３日間は入場料が約15・75ドル、最終日も約31・５ドルとバーゲン金額で売りに出されていたという。しかし、この＂大入り＂に、出場を辞退したローリー・マキロイまで「陸上競技よりも入っているように見えて驚いた。（欠場は）間違いだったかもしれない」と語ったほど。

　女子ゴルフに関しては、アメリカではＮＢＣは放映せずに、ゴルフチャンネルだけとなったが、最終日の視聴者数は、平均69万１０００人とケーブルでの視聴者数は今年最高。ピーク時には92万４０００人ということで、２０１０年の全英女子オープンの１３０万人（ＥＳＰＮで放映）以後最高の視聴者数を獲得したという。「この視聴率によりゴルフがオリンピックに残るのは疑いの余地がなくなった。女子スポーツは通常、テレビもメディアも二次的な扱いだが、オリンピックでは、男子同様、センターステージだ。ＩＯＣが許すのなら、東京では、男女ミックスのフォーマットを加えるべき」と語るのは、欧州女子ツアーのチーフエクゼクティブのイワン・コーダバクーシュ氏だ。

　ＩＯＣがもっとも気にしているのは、寄付金（放映権料）の集まるアメリカでのテレビ視聴率。それを考えれば、オリンピックゴルフは大成功といえそうだ。

　ちなみに日本での中継は深夜となり、低迷が予想されていたが、11日の10・9％など好調。「２０２０ＴＯＫＹＯ」に向け、弾みとなった。

　
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