週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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父の助言、内助の功。
復活のカゲに家族の力あり

　今年２月に腰痛のため米ツアーの戦線を離脱していた石川遼が、国内ツアー復帰２戦目のＫＢＣオーガスタで優勝した。初日から首位を走り続けての完全Ｖ、その原動力とは？

　７月の復帰１戦目の日本プロ選手権では、12オーバーと予選通過に10打も及ばなかった石川。それが２カ月足らずで、見違えるようなプレーで〝完全復活〟。しかし、父でありコーチでもある勝美氏は「パットとアプローチだけで勝ったようなものです」と手厳しい評価だ。そして「パターは完璧でしたが、アイアンもドライバーもまだまだ」と言う。

　どんな助言をしたのだろうか。

　「私はほとんどスウィングに関しては口を出していません。助言は、日本プロで80％で振っていたと言うので、『試合は80％では通用しない。１００％にしないとダメだ』と言っただけで、だからどうしろとは言いませんでした。それよりも遼の伴侶のほうが力になったのではないでしょうか」と勝美氏。

　今年の３月に中学時代の同級生との結婚を発表。復帰までの時間を「結婚してもこれだけ長く一緒にいる時間はなかった。人生という大きな視点で見ると、悪いことじゃなかった」と石川は振り返ったが、勝美氏は「一番辛いときに、弱音も吐けるし、喧嘩もできる。そういうのが大事なんです。結婚は悲しみを半分に喜びを倍にしますから」。

　一方、兄と同じ舞台に初めて立った８歳年下の弟、航君（県立浦和高校２年）は、最下位予選落ちと残念な結果だったが、10月に岩手で行われる国体の埼玉県代表に決定。航君のキャディを務めた妹の葉子さんは、今年７月に地元の松伏で喫茶店を始めた。

　「葉子は、予選も通れない弟のキャディでしたが一生懸命やっていましたよ。兄弟仲がいいというのは本当にいいことです。これからどんな道に進むかいろいろな可能性があります。人は仕事を持たなければなりませんが、それが何であれ自分に合った楽しいものであってほしいですね」と勝美氏。

　遼の復活劇のカゲに家族の力があったのはいうまでもない。

　
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