日本シニア最終日に上位争いをしていたはずの田村尚之が途中で突如脱落したことに「あれ?」と思った読者もいただろう。
痛恨!
結論からいうと、田村が4打罰を受けたからなのだが、経緯はこうだ。
田村は初日の9番ホール、大会で使用されてないサブグリーンに乗ったボールをそのまま打ってしまった。「目的外のグリーン」なので、罰なしに救済を受けなければならなかったが本人も同伴選手も気づかずホールアウト。しかし、最終日に別の選手が同様に打ち、問題に。そこで、さらに別の選手が初日の田村の件を告げたという。
そのことを10番ホール、プレー中の田村に確認、「本人も認めたので4打罰」を伝えたのは、JGA・市村元ルール・チーフディレクターだった。
この"伝達のタイミング"は今年の全米や全米女子でも話題になったが「選手としては早く教えてほしいと思っているはず。むろん動揺もあるでしょうが早く受け止めていただくしかありません。プレーが終了してからでは遅すぎるでしょう」(前出・市村氏)
罰打の内訳は、救済を受けなければならないところから打ったので「誤所からのプレー」で規則25︲3の違反になり2打罰。昨年までならスコアカードをすでに提出しているので過少申告となり失格だったが、今年のルール改訂で「罰を受けていたことを競技が終了する前に知らなかった場合、失格とせずに本来受けていた罰と、過少申告した2打罰を加える」(規則6︲6d)で、4打罰。
「正しいグリーンとはプレーするホールのピンが立ったところ。サブグリーンも他のホールのグリーンもすべて目的外のグリーンというのが欧米ルール。グリーンは打つところでなく、パットするところ。しかも高麗芝がサブグリーンの頃は直接打ってもそう打撃はなかったろうが、ベントでは被害が大きい」(USGA、レフェリー・川田太三氏)
JGA主催競技では2012年から現行のルールを採用しているが、日本のツアーでは男女ともに通常の試合ではサブグリーンはスルーザグリーンとして扱い、そのまま打たせているので勘違いする選手も少なからずいる。田村は「自分の確認ミス。反省しています」とのことだった。
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