日本・アジア共催のダイヤモンドカップ最終日はタイの17歳、パチャラ・コンワットマイの逃げ切りか、それとも小池一平、山下和宏らのツアー初Vかという展開だった。ところが2アンダー、13位タイからスタートした台湾のセン・セショウが62をマークして大逆転。さて、センとはどんな選手なのだろう。
センは、台北体育学院時代の06年にキム・キョンテが金メダルを獲ったアジア大会(ドーハ)で銅メダルを獲得してプロ転向。以来、アジアンツアーの下部ツアーで5勝を挙げたものの10年間は下積みが続いた。その間、日本のQTにも3回挑戦している。なかなか表舞台に立つチャンスがなかったが、30歳になった今夏、一挙にブレークした。
7月にタイで行われたアジア・欧州共催のキングスカップで優勝し、欧州ツアーの出場権を獲得。その後、母国の台湾ツアーでも優勝し、9月のダイヤモンドカップで今季3勝目を挙げた。
欧州ツアーでは欧米風に「ジェームス・チャン」(James Chan)という名前で登録。アジアンツアーでは中国語読みで「チャン・シーチャン」(Chan Shih︲Chang)と表記され、日本ツアーの登録名は漢字で「詹セン・セショウ世昌」としている。
15歳までは自転車のロードレーサーを目指していたセンだが、プロゴルファーでもある父親にレースは危険だからとゴルフを勧められたのがきっかけで本格的に取り組むようになったという。
台湾勢と言えば、戦前の陳清水から始まって、男子の歴代優勝者は、陳清波、呂良煥、謝敏男、謝永郁、陳志明、志忠兄弟、葉彰廷、林根基など枚挙にいとまがないが、06年に葉偉志がセガサミーカップで優勝して以降は、ぱったりと絶えてしまっていた。
ダイヤモンドカップを終えるとすぐに帰国してマーキュリーズ台湾マスターズに参戦したセンは、翌週のホンマツアーワールドカップで再来日。11月にはオーストラリアで行われるワールドカップにも出場する予定だ。台湾勢巻き返しの原動力として期待されている。
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