P・マークセンやP・チュティチャイら、タイ勢の活躍は弊誌でもたびたびお伝えしているが、そのなかで必ず挙がるキーワードが「シンハービールの社長」だ。いったい、どんな人物なのだろう。
シンハービールの社長はサンティ・ビローム・バクディ氏(70)。フォーブスの「2016タイの長者番付トップ50」の9位にランクされ、総資産2400億円ほどとされる大富豪だ。ゴルフを始めたマークセン少年が手製のウッドクラブで器用にアプローチする姿に目をとめ、サポートを始めたという〝目利き〟でもある。
ゴルフだけでなく、カーレースやサッカー、バドミントンなどさまざまなスポーツチームのスポンサーになっている同社。世界戦略を練るうえでスポーツを通して世界中に自社商品を知ってもらおうという狙いはもちろんあるだろう。しかし、商品を売りたいがためだけの戦略ではなく、スポーツ支援を「誇り」と言い切るサンティ氏。
サンティ氏についてタイ在住のゴルフ事業関係者に聞いてみると「国民によく知られた社長で、国民の規範となっているような人物です」という。
「〝サンティさんの村〟という意味のサンティブリというコースがタイに2つあります。最北のチェンライという村とサムイという島です。どちらも商売になりにくい土地なのに、わざわざそういうところにコースを作ってくれているんです」という。
また、別のシンハーの冠をつけたコースにはプロ育成のためのスクールも併設。ゴルフ場を作って地元の雇用を確保するなど地域を振興しながら、有望な選手は育成コースでサポートを惜しまないという。
日本でプレーするタイ出身のトップアマ、トゥラティムッティ・カーンさんも「社長自身が大のゴルフ好きですし、サポートするから宣伝してというような見返りを求める姿勢がまったくないので選手たちはのびのびプレーできる」と証言。
口は出さないが金は出す、目先の利益を追求しない姿勢がタイゴルフの隆盛を支えている。
【関連記事】こちらも注目です!
2016/08/03 なぜこうも強いのか?タイ人トップアマがズバリ解説
一覧へ戻る
|