タイガー・ウッズの"ドタキャン"に周囲は大揺れだ。米ツアーの新シーズン開幕戦・セーフウェイオープンに出場すると公言し、参加登録までしていたタイガーが、その3日後に出場辞退を発表したからだ。
「健康状態はいいし、身体的には十分に強くなっていると感じているが、競技で戦うには、あまりに無防備」というのが本人の言い分。出場するなら米ツアーからということで、11月に出場を予定していたトルコオープンもキャンセルすることに。当面の目標は、自身がホストを務める12月のヒーローワールドチャレンジということになる。
「いま、すべてがタイガーに対して滞っている。身体的にも、メンタル的にも、そして明らかに戦うことにも……」とは、59歳のニック・ファルドの分析だ。
スタンフォード大学時代からのタイガーの友人で、元プロのノタ・ビゲイの話を要約すれば、タイガーはライダーカップの副キャプテンとして、ほかの選手のプレーを見て、自分もプレーしたくてうずうずしていたようだ。それでエントリーはしたものの、試合の直前になって、まだゴルフ感が戻っていないことに気付いたということになる。
セーフウェイオープンの前身は、フライズドットコムという試合で、タイガーはその際もキャンセル経験がある。しかし、ホストのジョニー・ミラーは、来年のこの試合に出場することをタイガーが約束したことから、一応の理解は示しており、アメリカではタイガーへの否定的な意見はあまり聞こえないのが現状。
一方、オーストラリアの新聞はちょっと手厳しい。というのも、タイガーの復帰戦とあって、セーフウェイの観戦チケットの売り上げは平日で昨年の2倍、週末には3倍にもなり、コース近くのホテルは予約で埋まっていたという。そこで「タイガーは、なぜエントリー前に『時間が足りない』と自覚できなかったのか? 自分の都合ばかりで、ちょっとファンをバカにしている」という批判的な論調の記事も出た。
早めの復帰戦でボロボロでもファンはある程度は理解を示すだろうが、今回試合をキャンセルしたことでファンの目は厳しくなる。タイガーは自ら復帰のハードルを高めてしまったのかもしれない?
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