全国高校ゴルフ選手権、通称「緑の甲子園」を巡る"ゴタゴタ"が取り沙汰されている。
事の発端は、畑岡奈紗(通信制のルネサンス高3年)が制した今年の日本女子オープンの初日にさかのぼる。日本高校ゴルフ連盟の理事長名で通信制高校のゴルフ部顧問宛てに文書が届いたのだ。内容は、全日制高校と通信制高校の違いをふまえ、カテゴリー別に緑の甲子園を運営することを検討したいというもので、その後意見交換会が行われた。通信制の生徒は通学せずにゴルフに専念しているので、全日制の生徒と別にしないと不公平、との意図があるようだが、これが"通信制締め出し"ともとられ、進路を検討するジュニアや保護者たちの間でも議論になった。
現場の指導者からは「プロを目指すレベルなら、高校の試合には出なくていい」「カテゴリー分けしてもいいのではないか」などの意見が出たというが、かつて全日制の学校で石川遼を指導し、現在は通信制の高校でジュニア育成にかかわる吉岡徹治氏は「通信制には、家庭の事情や経済的な事情で働きながらでないとゴルフができない生徒がいることもわかってほしい」と話す。
さらに、「都心に暮らす生徒は全日制に通っていては、まともに練習環境を作れないという面もあります。カテゴリー分けは、競技の2極化、全体のレベルの低下を招き、将来のジュニアゴルフ人口は減っていくのではないでしょうか。2020にオリンピックを目指す今のジュニアゴルフ界には逆風になると思います」という。
ナショナルオープン(日本オープン、日本女子オープン等)やプロの試合で通信制の生徒が活躍する現状を受けての検討だろうが、オトナの事情でジュニアをがっかりさせるようなことはないようにしてもらいたい。
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