一人の日本人が株価を動かした。どういうことか?
11月4日、ニューヨーク証券取引場でキャロウェイ株が急上昇。前日、9・8ドル前後で推移していた同社の株価は、4日に11・5ドル近くまで上昇し、その後も11ドル台を維持。ヒラリー・クリントンのメール問題で、ダウ平均株価が値下がりしていた時期にもかかわらず、だ。
相場を動かした"正体"はメジャー25勝の日本人、ヒデユキ"ロック"石井氏だ。25勝といってももちろん石井氏が直接メジャーに勝ったわけではない。彼が作ったゴルフボールがメジャーで25勝しているのだ。ナイキのゴルフボール研究チームの筆頭ディレクターだった石井氏のキャロウェイ社への移籍のニュースが3日に流れ、投資家たちがキャロウェイ株を購入したのだ。
石井氏は1989年にブリヂストンに入社して以来、ゴルフボールの開発に携わり、ニック・ファルドやニック・プライスなどとテストを重ねて、糸巻きボールが全盛の時代に米ツアーで初めて2ピースボールを作った人物として知られ、96年からナイキのゴルフボール開発に携わるようになった。
石井氏の開発したボールを使用して、タイガー・ウッズが2000年の全米オープンで2位に15打差をつけて優勝。「あの時がゴルフボール産業にとっての歴史的な瞬間で、変革の時になった」(石井氏)と、タイガーとともに石井氏の存在は一気にメジャー級に。
タイガーはもちろん、近年ではローリー・マキロイなどの意見も聞きながら、ボールの開発をしていたが、ナイキがクラブ、ボールの生産・販売打ち切りを発表。石井氏の去就が注目されていた。
「ロック(石井)が私たちの優れた開発チームに加わることで、新しい製造方法を調査し、ゴルフボールの性能を高めることができる」とはキャロウェイの研究チームのアラン・ホックネル副社長。株価のようにシェアも伸びるか。
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