東京オリンピックのゴルフ会場問題が再燃してきた。
これまでたびたび論議を呼びながらも、霞ヶ関CCでは五輪用のコース改造も終わり、開催を待つだけの態勢に入っていた。しかし、五輪組織委員会の森喜朗会長が年頭のあいさつで「本当にやれるのか。組織委内部で一度も論議されていない」と霞ヶ関開催に待ったをかけるような発言。とくに問題視したのは選手村とコースが約70キロも離れている点で「片道2~3時間かかる。首都高、関越道に五輪専用レースを設置できるかも含めて輸送計画を作る必要がある」(森会長)。さらに「当初の招致計画にあった若洲GLや千葉県などでの開催も検討すべきだ」とまで言及した。
その3日後には組織委の武藤敏郎事務局長が「会場を変えるという趣旨の発言ではない」と、打ち消しに大わらわ。
森発言の背景には、松沢成文参議院議員が参議院文教科学委員会でこれまで8回、コース選定に疑義を呈する質問をしたことがあるというのがもっぱらの見解だ。
その質問では、これまでの霞ヶ関CCが不適当な理由、たとえば五輪後にレガシーにならない、夏季の高温などのほか、「霞ヶ関は、女性は正会員にはなれず、平等性を第一義とする五輪憲章に反している」と断じている。そしてこれらの理由により、「若洲GLに見直すべきだ」との要望書を、松沢議員が副議長を務める日本ゴルフ改革会議(大宅映子議長)が小池百合子都知事に手渡したのだ。
「女性差別に敏感な小池知事が反応する前に、森会長が牽制するため、あの発言をしたのでは……」と推測するのは、見直し派でもあるテレビ解説者のタケ小山氏。
これらの動きに対して当事者のJGA(日本ゴルフ協会)は「近いうちにJGAの見解を発表します」(専務理事・山中博史氏)と、現在はノーコメント。
さて小池都知事は、今後どういう反応を示すだろうか?
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