今季日本男子ツアー第1戦となるSMBCシンガポールオープンを制したのは昨年の日本シニアツアー賞金王のプラヤド・マークセンだった。
シンガポールオープン最終日は、早朝に第3Rの残りホールを開始するのと同時に、すでに第3Rを終えている選手は、組み換えなしで、第4Rをスタートするという異例の展開に。そのため、最終日を67でまわり通算9アンダーでホールアウトしたマークセンは、アダム・スコットらの最終組がゲームを終了するまでテレビ観戦をしながら、延々と2時間も待ち続けることになった。
すると上位陣が総崩れ。友達と食事をしながら談笑しているうちにマークセンが単独トップに。普通の選手なら、ここでプレーオフに備えて練習場へ向かうものだが、まったく腰を上げようとしないところが、いかにもマークセンらしい。選手仲間でもマークセンは滅多に練習しないプロとして有名なのだ。
アジアンツアーなどでマークセンと練習ラウンドをする川村昌弘は、「僕は人の真似をしないのがモットーですが、唯一参考にしたいのがマークセンです。効率のいいスウィングでリズム、テンポがよくて、ドローもフェードも打てる選手。でもトレーニングも体のケアもしないし、練習もほとんどやらないんです。そこまで真似はできません」と笑う。
50歳を過ぎて活躍をするには、さぞ過酷な鍛錬があったのではないかと想像する向きには少々驚きだ。
プロコーチの内藤雄士は、「フラットなトップからオンプレーンに切り返していくとき、腕が体の回転についていくだけという、いい意味での腕を使わないスウィングが特徴です。手足が短いから誤差が少ないので、練習しなくても再現性を維持できるのでしょう」と解説する。
マークセン本人は「毎週末、会場にいられることだけを考えている」と予選通過が目標としている。この優勝で今年の全英オープンの出場権を獲得。すでにシニアツアー賞金王として全英シニアの権利もあり7月は2週続けてリンクスに立つことになる。
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