コースが動物園に?中国の111コース閉鎖に
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2017/02/14号
2017/02/06更新

コースが動物園に?
中国の111コース閉鎖に

 中国で111コースが閉鎖し、アンチゴルフの流れが加速しているようだ。

 閉鎖された111コースに加えて、47コースの建設が中止。18コースがゴルフ場の土地を返還して閉場。さらに11コースが地方政府により自主的に閉鎖したと伝えられ、残りは496コースにまで減ってしまったという。

  新華社通信によれば、今回の閉鎖の表向きの理由は、水や農耕地の不適格、違法な使用、それに環境・自然保護だ。しかし基本的には、贅沢な飲食を禁止したのと同様に「汚職や腐敗の一掃」を掲げた習近平国家主席の意向が強く働いていることは間違いがないようだ。それが、もともとあったアンチゴルフの流れに乗ったといえるだろう。

 中国でこの流れが始まったのは、「新規ゴルフ場の開発禁止」が発表された2004年だ。しかし、当時ゴルフコースは178コースだけで、開発が禁止されているにもかかわらず、その10年後には600のコースが存在。「公園」や「スポーツパーク」といった名目で作られ続けていたのだ。禁止されているのに、ゴルフ場が新設されているのだがら、当然、地方自治体や役人の黙認があり、汚職があった可能性も十分にある。2011年には「閉鎖されるべき400のゴルフコース」が発表され、2015年には、8800万人の共産党員に対してゴルフが禁止される。ゴルフをすれば処罰の対象となったのだ。そして、その年には66のゴルフコースが閉鎖された。

 〝ゴルフ嫌い"といわれる習近平・国家主席は、党員のゴルフを禁止すれば入場者が激減し、自然に淘汰されると踏んでいたのだろう。しかし、経済の発展で、党員以外の富裕層や外国人による需要が高まり、一向にコースが減らない。そこで、今回の大鉈となったようだ。

 ちなみに、現在、上海市にある動物園はもとはゴルフ場で、1949年に毛沢東がゴルフを禁止したため作られたもの。中国ではトップの意向が絶対だ。

 
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