米ツアーでは年明け早々に23歳のジャスティン・トーマスが連勝し、話題をさらったが、またも新星が現れた。スペイン出身のジョン・ラーム。弱冠22歳だ。
ファーマーズの最終18番。池越えの第2打をグリーン奥のフリンジまで運んだラームが20メートル近いイーグルパットを決めた瞬間、大混戦に終止符が打たれた。PGAツアー参戦13試合目にして初の栄冠だ。
「信じられない。まるで実感がなくて、テレビでVTRを見て初めてイーグルが決まったとわかったよ」(ラーム)
実は彼、フィル・ミケルソンの弟でアリゾナ州立大ゴルフ部コーチ、ティム・ミケルソン氏がスペインまで出向きリクルートした逸材。ティム氏いわく「ラームには弱点がない。大学時代からすべての要素がトップレベル」。
その言葉どおりアマの世界ランク60週1位の座をキープし、14年に軽井沢で行われた世界アマチュアチーム選手権でも個人優勝を果たすなど、以前から「未来のスーパースター」の呼び声が高かった。
そして昨年全米オープンでローアマに輝いた直後にプロ転向。半年ちょっとで勝利をつかみ世界ランクも46位に。
ラームのプロ転向と同時にティム氏もコーチ職を辞しラームのマネジャーに。ちなみに、兄ミケルソンも92年にプロ入りしたとき同大のコーチだったロイ氏が彼のマネジャーに転身した経緯がある。
ラームは、大学に入った頃は英語がわからず「1クラス最大30人の小さな高校から、1つの講義で375人が集まるマンモス校に来て何かの間違いかと思った(苦笑)」と振り返るが、ティム氏指導のもとスペイン語を喋ると腕立てとスクワットを合わせたバーピーというエクササイズをするという罰を率先して行い、精神面も鍛えられた。今後2歳年上の松山英樹や石川遼の強力なライバルになりそうだ。
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