先のWGCメキシコ選手権は、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンが優勝したことで、なんとか"面目"が保たれたが、この試合は開催前から何かと話題を呼んでいた。
昨年までフロリダのドラールリゾート・ブルーモンスターコースで開催されていたが、今年からメキシコシティでの開催に。キャデラック社がスポンサーから降りたことが第1の理由だが、ドラールはトランプ米大統領がオーナーのコース。これが開催コース変更に関係あるのではと見られている。
というのも、ホンダクラシックからのフロリダ連戦のなかでいきなりのメキシコ開催。出場回避したビリー・ホーシェルは「単にメキシコには行きたくないだけ。中国に行きたくない人間が多くいるのと同じだ」
出場した選手のなかでも、ジェイソン・デイは試合前に風邪と耳の異常で棄権。ヘンリク・ステンソンも1ラウンドの11ホールを回ったところで「胃の調子が悪い」と棄権。ローリー・マキロイもやはり食べ物があたったようで、「苦しくて眠れなかった」という。ケビン・ナにいたっては試合中も顔面蒼白で、ラウンド中に何度もトイレに駆け込んだほど。選手だけではなく、フィル・ミケルソンの名物キャディ、ジム(ボーン)・マッケイも途中交代。弊誌が派遣したカメラマンも腹痛でトイレと撮影場所を何度も往復したという。
原因は、現地の衛生状況のほか、メキシコというロケーションならではのものもあった。練習ラウンドで9ホール回ったジョーダン・スピースが「18ホール回ったのと同じくらい疲れた」と語ったが、標高2200mをこえる薄い空気のなかでのゴルフで疲労が大きかったことがあるようなのだ。さらに、空気が薄いので普段よりも飛距離が出る。優勝したジョンソンは最終ラウンドでなんと393ヤードのドライバーショットを披露したほど。しかし、この"飛び"にプレー感覚が狂ってしまう選手が続出したのも事実。
メキシコ後、米ツアーはフロリダに戻ってパーマー招待、さらにはWGCマッチプレーと続く。4月6日からのマスターズに向け、選手たちは体調やプレー感覚など、ハードな調整を強いられそうだ。
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