女子ツアーの部門別ランキングを見て「おや?」と思ったファンもいるだろう。ドライビングディスタンス部門が導入されたのだ。
女子ツアーではこれまでは5月のサロンパスカップでしか測定がなかったが、今季は開幕戦のダイキンから同部門の測定がスタート。1位となったのが葭葉ルミ(262・12ヤード)。2位比嘉真美子、3位柏原明日架、4位川岸史果と続く。
なぜ始めたのかLPGA(日本女子プロゴルフ協会)に聞いてみると……。
「意図は選手たちの技術強化です。自分たちがどれくらいの能力を持っているのか知っていたほうがよいので」(広報・大谷英明氏)
女子の試合で「そのホールのヤーデージからすると次打の持つクラブが短かすぎる。ヤーデージをサバ読んでいるのでは?」という問い合わせが小誌編集部にあったこともあり、ドライバーの飛距離に疑問符がついていた面はある。そのモヤモヤが解消されるとしたらファンも歓迎だろう。
ちなみに、計測方法だが、ラウンドごとにフォローとアゲンスト(ダイキンの場合は7番、12番)の2ホールを選び、あらかじめ200ヤードと210ヤードの地点に印をつけておく。そしてその地点からボールの止まった位置に、歩測で飛んだ距離を算定する。科学の時代に歩測!?と驚くなかれ。日本男子ツアーも同じ。印をつける地点が200ヤード、250ヤードと距離が延びるのを別にすれば、ボランティアが両側にいて歩測で計るのだ。LPGAが男子ツアーに勉強に行っていたというから、合点がいく。
「歩測では正確な数字は出ないし、マンパワーも必要。プレーの遅延にもつながりかねません。米ツアーのようにレーザーガンによるショットリンク・システム採用が望ましいですね。各ショット、パットの距離などのデータが瞬時に出ます」(TV解説者・佐渡充高氏)
しかし、LPGAは「費用がかかるので無理でしょう」(同)。JGTO(日本ゴルフツアー機構)も「米国のシステムにするには億単位の投資が必要になる」(広報・田中謙治氏)と、こちらは実現の望み薄のようだ。
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