マスターズにタイガーの姿がなかったことを寂しく感じたファンは多いだろうが、ガッカリしたのはファンだけではない。
タイガー本人は不出場の理由を「やれることはすべてやった。しかし腰のリハビリのため、試合に臨む準備をする時間がなかった」とコメントした。それに対して米メディアは、その事実をあっさりと伝え「明らかに彼の未来にとって良い前兆ではない」とか「再度、タフな日々を繰り返すことになる」といった表現にとどめ、ことさら「引退か」などと騒ぎ立てなかった。
そうしたなか、ジャック・ニクラスはタイガーについて聞かれ「故障はタイガーの体だけでなく、心にも影響を与えている。彼の言葉とは裏腹に、彼が何かことを起こすたびに彼自身を傷つけている。たぶん彼の体は傷ついているのだろう。君たちにもわからないだろうし、私にもわからない。本当になんて答えていいのかわからないんだ。私にわかっているのは、彼は見た目も話すことも素晴らしい。メンタル的にもシャープであるように思える。だからこそ何が起こっているのかわからないんだ」と、困惑を隠さなかった。
タイガーはマスターズの試合には出場しなかったが、「古い友人たちと会うのが楽しみ」と試合前の火曜日のチャンピオンズディナーには出席した。ディナーの席でタイガーと話したマーク・オメーラは「彼は苦しんでいるように感じた。彼が言うには、良い日と悪い日の繰り返しで、手術をした場所に痛みがあるとのことだ」。"良い日"があるのは喜ばしいことだが、気になるのは、先月20日に行われた自身の新刊本のサイン会やテレビ出演で「人生で後悔しているのは、スタンフォード大学にもう1年いなかったことだけ」と語るなど、振り返りコメントが多いこと。何だが"締めくくり"をしようとしているように感じられるが、どうなるだろうか。
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