米ツアーのバレロテキサスオープンで30歳のケビン・チャペルが初優勝を飾った。昨季2位に4度入りながら、つかめなかった勝利の二文字をついに手にした。
チャペルはデビューから優勝まで180試合を費やした。72ホール目で2・5メートルのバーディパットを沈めた瞬間、派手なガッツポーズに万感の思いを込めた。 「ものすごく大きい肩の荷を下ろした気分」と感無量の表情を浮かべたのにはワケがある。実はバレロテキサスオープンはPGAツアー本格参戦1年目に初めて優勝争いを演じた思い出の大会。ルーキーイヤーでの初勝利を目前に、最終日の17番で痛恨のボギーを叩き1打足りずに勝利を逃した。 「6年越しのモヤモヤが晴れたよ。コースは合っているから、いつかリベンジしたいと思っていた。この優勝で新たなスタートを切れた気がする」 ゴルフの名門UCLA出身で学生時代には数々のタイトルを獲得。しかし、大学3年のとき、共に切磋琢磨してきた兄のスティーブンさんが糖尿病による疾患により24歳の若さで亡くなったことが影を落とす。プロ転向するも、なかなか思うような結果を残せず苦戦。ところが昨年は転機の年。メモリアルトーナメントとプレーヤーズ選手権で世界ランク1位のジェイソン・デイに敗れはしたが2位。最終戦のツアー選手権ではローリー・マキロイとライアン・ムーアとのプレーオフに進出。栄冠はマキロイに譲ったが、いずれもビッグイベントで実力を発揮し賞金ランク&フェデックスカップのポイントランクともに8位に入りトッププレーヤーの仲間入り。 「去年の4回を含めこれまで2位が6回。もう勝てないんじゃないかとは思わなかったけれど、足りないものがあった。それは"この場に立てる幸せに気づかなかった"こと。優勝争いを楽しむ余裕がなかったんだね。でも今回は試合の緊張感を心から楽しめた」とチャペル。 シルバーメダルコレクターを返上した今、松山英樹の強力なライバルになりそうだ。
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