ミズノオープンを制したのは27歳のチャン・キム。今年は全英オープン、全米オープンへのチケットも手にしているが、どんな選手なのか。
その快挙は「在米同胞キム・チャン、日本JGTOミズノオープン優勝」(『SBSニュース』)といった具合で、韓国でも詳しく報じられているが、ほとんどの記事のヘッドラインには「在米同胞」「在米僑胞」との文字が並んだ。その言葉でもわかるように、キムは韓国系アメリカ人でもある。
韓国メディアの報道を集約すると、キムは1990年、韓国生まれながら、2歳のときにハワイに移住。17歳までハワイで過ごし、07年からはアリゾナ州立大学で腕を磨いて、2010年にプロ転向した。カナダやアジアンツアーを戦ってきたが、2012年に日本ツアーのQTに初挑戦。ただ、その年の12月には韓国で腰の手術を受けており、長らく苦しい日々を過ごしたという。それでも、14年の日本ツアーファイナルQTを見事に通過。当時の報道を調べてみると、4位でファイナルQTを通過したヤン・ヨンウン(Y・E・ヤン)のほうが大きく取り上げられているが、堂々のトップ通過を果たしたのはキムのほうだった。
そんな"無名選手"が今回の優勝で全英オープンへの出場権も得ただけに、韓国メディアも大喜び。「日本3年目で初タイトルを手にしたキム・チャンに熱視線」(『アジアニュース通信』)と報じるメディアもあったほどだ。
そんなキムの最大の武器は、規格外のドライバー飛距離。12年欧州ツアーでは475ヤードのパー4をワンオンしたことがあり、昨年の日本ツアーでは平均飛距離311・29ヤードでトップ。これは日本ツアーの歴代記録でもあるのだ。
ゴルフ以外にも、野球、サッカー、テコンドーなどを嗜み、いずれもかなりの腕前だというのだからまさに"スポーツ万能"だ。アメリカ育ちとはいえ、韓国ゴルフ界からまたひとり、新たな"怪物"の登場か!?
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