ゴルフをしない、あるいはやめた理由のトップは、欧米では「プレーに時間がかかる」だ。さまざまな対策がとられているが、逆の"苦言"を呈するプロも……。
世界的にゴルフ人口が減少するなか、ルール改訂ではスロープレー防止を前面に打ち出したり、USGAは前方のティからのプレーや9ホールプレーを推奨したりしている。欧州ツアーでは6ホールのチームマッチまで公式戦になっているのだ。五輪も東京までは72ホールのストロークプレーと発表されているが、2024年のオリンピックでは短縮された競技フォーマットになる可能性もあるとされる。
そんななか、リオ五輪の金メダリスト、ジャスティン・ローズが"短縮化"に苦言を呈した。「72ホールのストロークプレーこそ、勝者を決める最高の方法だと信じている。(短いフォーマットの試合が)10、12、15試合と開催されるとしたら、それはやりすぎだ。確かにそうしたフォーマットを求める声もあるだろうし、短期的なら注目を集めることにもなるだろう。しかし、それはこれまでのゴルフとは異なったものだ」とローズ。
確かに、もし今後、五輪ゴルフが6ホールの国別の対抗マッチプレーにでもなれば、ローズの金メダルのことはすっかり忘れられてしまうかもしれない。しかし、世界で最も古いオープン競技の全英オープンの第1回大会は、12ホールを3ラウンドするというものだったし、全米プロがマッチプレーからストロークプレーに変わったのは戦後の1958年だ。現在でも、全米アマなどアマチュアの世界では頂点を決めるのはマッチプレーが主流だし、女子プロの世界では3日間の54ホールのプレーは当たり前。18ホールの4ラウンド、72ホールのストロークプレーというのは、男子プロの試合競技フォーマットとして確かにひとつの"完成された形"ではあるのだが、ゴルフ普及の面で考えればまた違った形もあるのかもしれない。
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